コラム
2025.03.09
システム開発の工数比率とは?工程ごとの配分を最適化するポイント4選
- システム開発における工数の意味と基本的な考え方
- 工数の単位や人件費の算出方法
- システム開発工程ごとの工数比率の目安
- 工数比率を踏まえた見積もりの考え方
- システム開発の工数管理を最適化するための具体的なポイント
01 システム開発における工数とは
システム開発における工数とは、特定の作業に必要な人数と時間を表すものです。
実際に、システム開発を成功させるためには、適切な工数管理が欠かせません。なぜなら、工数管理が徹底できていないと、開発コストの増加や納期の遅れといったリスクが高まるからです。
以下で、工数の単位や人件費の算出方法を解説するので、システム開発費を見積もる際の参考にしてください。
工数は「人数×期間」で表す
工数は作業量を表す指標の一つで、何人の作業者が(人数)どれだけの時間をかけて(期間)作業するかで表します。
- 工数=人数×期間
また、工数の単位は以下の3つです。
- 人月(にんげつ):1日8時間・1か月20日間の稼働でできる作業量
- 人日(にんにち):1日8時間の稼働でできる作業量
- 人時間(にんじかん):1時間の稼働でできる作業量
たとえば、工数が「3人月」の場合、「1人で3か月間」または「3人で1か月間」の作業量を表します。同様に、工数が「2人日」であれば、「1人で2日間」または「2人で1日間」の作業量となります。
工数を正しく理解することで、システム開発のコストや納期の妥当性を判断できるでしょう。
人件費は「工数×人月単価」で算出できる
システム開発における人件費は、以下の計算式で算出できます。
- 人件費=工数×人月単価
人月単価とは、1人の作業者が1か月稼働した場合の費用のことです。実際の人月単価は作業者の職種や役割、スキルによって異なります。
目安として、中級以上のスキルを持つシステムエンジニアやプログラマーは人月単価が100万円前後になるケースがほとんどです。作業者の人件費が高いほど、システム開発の外注費が増加します。
02 システム開発における工数比率の目安
システム開発における工数比率は、プロジェクトの特性によって異なるものの、参考までに以下を目安にするとよいでしょう。
|
工程 |
工数比率 |
|
要件定義 |
10% |
|
基本設計 |
15% |
|
詳細設計 |
15% |
|
製作 |
30% |
|
結合テスト |
20% |
|
総合テスト |
10% |
参照:独立行政法人情報処理推進機構|ソフトウェア開発データ白書2018-2019(183-188p)
システム開発の概算見積や試算見積をする際は、まず中央値を基準に考えてみてください。そのうえで、実際の開発における計測値を蓄積しながら、類似案件の割合を参考にしていくと、予測精度が高まります。
03 システム開発の工数管理を最適化するポイント4選
システム開発の工数管理を最適化するためには、過去の工数を参考にしたり、間接的な作業を考慮したりする必要があります。
以下で、システム開発の工数管理を最適化するポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。
1.過去の工数を参考にする
システム開発の工数管理を最適化するため、過去に似たようなプロジェクトの経験があれば、実績を参考にしてください。
システム開発は種類や方法が多岐にわたるため、一般的な工数比率を当てはめるだけでは不十分だといえます。過去の実績を加味して工数を算出することで、見積もりの精度を高められます。
なお、システム開発を進める際は今後の参考になるよう、自社のナレッジとして工数の記録を残しておくのがおすすめです。
2.工数に余裕を持たせる
システム開発の工数管理を最適化するためには、余裕を持って工数を見積もる必要があります。たとえば、メンバーの退職や休養のほか、ウィルス感染によるプログラムの停止など、システム開発では予期せぬ問題が発生するものです。
計画段階から工数に適度な余裕を持たせておくと、予算やスケジュールにゆとりを持ってプロジェクトを進められるでしょう。
3.間接的な作業を考慮する
システム開発の工数管理を最適化するためには、間接的な作業も考慮する必要があります。実際に、システム開発を進めるうえでは、設計や製作などの直接的な工数のほかに、会議や事務といった間接的な作業も多く発生します。
間接的な作業の一つひとつにかかる時間はプロジェクトに直接関係する工数と比べて短いものの、積み重なると相当なコストになるでしょう。間接的な作業の工数もあらかじめ考慮しておくことで、より効果的なプロジェクト管理を実現できます。
4.定期的に見直す
算出した工数を定期的に見直すことで、システム開発における工数管理を最適化できます。
システム開発において、工数の配分はプロジェクトの初期段階で算出するのが一般的です。しかし、実際にプロジェクトを進めていくと、当初の計画よりも工数が大幅に増加したり、予定より早く工程が完了したりする場合もあるでしょう。
特に、工数が増加するケースでは、早めに状況を見極めて工数を振り分け直し、納期を調整しておくと安心です。
04 まとめ
システム開発において、工数は作業を完了するまでに必要な人数や時間を表す指標です。予算内かつ決められた納期でプロジェクトを遂行するためには、適切な工数比率のもと、工数管理を最適化する必要があります。
WEBEDGEでは、上流工程から一貫して開発をサポートできるエンジニア調達・常駐・派遣サービス「超伴走」を提供しています。システム開発の工数管理を最適化するためのリソースやサポートが必要な方は、ぜひ気軽にご相談ください。
Question
よくあるご質問
Q
システム開発における工数比率は、必ず目安通りに配分しなければいけませんか?
A
工数比率には参考となる目安はありますが、必ずしもその通りに配分する必要はありません。新規開発か改修か、品質要件の高さ、既存システムの有無などによって、最適な配分は変わります。重要なのは「なぜこの比率にしているのか」を説明できる状態にしておくことです。WEBEDGEでは、過去実績や開発体制を踏まえたうえで、プロジェクトごとに無理のない工数配分を整理する支援を行っています。
Q
要件定義や設計工程の工数を削ると、どんな影響がありますか?
A
要件定義や設計工程の工数が不足すると、後工程で仕様の手戻りや追加対応が発生しやすくなります。その結果、製作やテスト工程の工数が想定以上に膨らみ、全体としてコストや納期のリスクが高まるケースも少なくありません。初期工程に十分な工数を割くことは、結果的に全体最適につながる判断といえます。
Q
工数比率は、プロジェクトの途中で見直しても問題ありませんか?
A
工数比率は、プロジェクトの進行に応じて見直すことが前提と考えた方が現実的です。計画段階では想定できなかった課題や仕様変更が発生することは珍しくありません。定期的に実績工数を確認し、必要に応じて配分を調整することで、大きなトラブルを未然に防ぎやすくなります。WEBEDGEでは、進行中のプロジェクトでも状況を整理し、調整ポイントを可視化する伴走支援を行っています。
Q
工数管理を内製だけで行うのが難しい場合、どう考えればよいですか?
A
工数管理には、過去データの蓄積や客観的な視点が求められます。社内に十分な知見やリソースがない場合、第三者の視点を取り入れることで、見積もりや配分の妥当性を確認しやすくなります。すべてを外部に任せるのではなく、判断材料を整理するパートナーとして支援を受ける選択肢も有効です。WEBEDGEでは、体制や役割分担を尊重しながら、工数管理の考え方づくりから支援しています。
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執筆:WEBEDGE DX編集部
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監修:友田 俊輔
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