コラム

2024.10.15

システム開発の工数見積もりとは?必要な要素と妥当性を向上させる方法

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システム開発を進めるためには、外注・内製を問わず、工数見積もりを算出する必要があります。しかし、具体的な見積方法や妥当性の判断基準が分からず、困っている方も多いでしょう。

 

  • 予算を作成するために工数見積もりをしたい
  • 見積もりでチェックするべきポイントを知りたい
  • システム開発の費用対効果を上げたい

 

本記事では、システム開発の工数見積もりに必要な要素や算出方法を解説します。工数見積もりの妥当性を高めるためのポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

01 システム開発の工数見積もりに必要な要とかかる費用

システム開発の工見積もりに必要な要素として、以下の項目が挙げられます。

項目

内容

要件定義費用

システムに必要な機能を検討・決定するための費用

設計費用

要件定義をもとに開発するシステムの設計図を作成する費用

UIデザイン費用

ユーザーが操作するインターフェース(UI)をデザインする費用

開発費用

エンジニアの人件費や開発に必要なサービスの利用料など、システムを開発するための費用

テスト費用

開発したシステムの動作を確認するための費用

導入費用

システムの初期設定に必要な費用

旅費・交通費

打ち合わせにかかる費用

保守・運用費

システムの監視や機能改修など、導入後の保守・運用にかかる費用

 

なお、システム開発会社やプロジェクトの特性によって見積もり項目が異なるケースや、内容がより複雑化する場合があります。

02 システム開発における工数見積もりの手法

システム開発における主な工数見積もりの手法は、以下のとおりです。

手法

算出方法

特徴

類推見積(トップダウン)

過去の類似プロジェクトをベースに工数を算出する手法

●誤差が生じにくい
●過去に類似のプロジェクトを経験している必要がある

係数モデル(パラメトリック)

特定の係数モデルを使用して工数を算出する手法

●数式を用いて簡単に算出できる
●データやサンプルが少ないと見積もりの精度が低くなる

ボトムアップ(工数積上げ)

システムの完成形から構成要素を想定して工数を積み上げていく手法

●必要な工数を細かく把握しやすい
●算出に時間がかかる

プライスツーウィン法

予算をベースに工数を算出する手法

●予算オーバーを防げる
●開発工数に制限がかかり、システムの品質を保証できないリスクがある

三点見積もり

作業ごとに最頻値・楽観値・悲観値を予測し、値を掛け合わせて工数を算出する手法

●信頼範囲を計算できる
●小規模のプロジェクトには向いていない

それぞれの手法で必要な情報が異なるように、プロジェクトの規模や内容によって向き・不向きがあります。また、手法が異なることで工数見積もりに差が出るケースもあるため、メリット・デメリットをよく理解しておきましょう。

03 工数見積もりの妥当性を向上させるポイント4選

工数見積もりの妥当性を向上させるためには、タスクを細分化したり、ニーズを明確にしたりする必要があります。
以下で、工数見積もりの妥当性を向上させるポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

1.タスクを細分化する

工数見積もりを作成する際は、できる限りタスクを細分化することがポイントです。タスクを細分化することで、想定外の作業が発生して工数が増加するリスクを減らしたり、作業の漏れを防いだりできます。

なお、システム開発のような中規模から大規模なプロジェクトであれば、数日〜1週間程度の粒度までタスクを細分化するようにしてください。

 

2.ユーザーのニーズを徹底的にヒアリングする

工数見積もりの精度を高めるためには、ユーザーのニーズを徹底的にヒアリングしましょう。なぜなら、工数見積もりの段階では、ユーザー側も開発したいシステムを具体的にイメージできていない可能性があるからです。

ユーザーが解決したい課題や要望などを細かくヒアリングすることで、プロダクトのイメージを具体化でき、必要な工数を細分化できます。

 

3.作成者以外の複数人で工数見積もりを確認する

システム開発の工数見積もりを算出したら、作成者以外の複数人で内容を確認するようにしてください。工数見積もりには正解の数値が存在しないため、作成者に任せきりにならないよう注意が必要です。

複数人で確認することで、必要以上に人員や期間を割り当てている作業や考慮すべきリスクなど、妥当性が疑わしい項目にいち早く気づけるでしょう。

 

4.予実管理を実施する

工数見積もりの妥当性を向上させるためには、システム開発の進行にあわせて予実管理をすることがポイントです。進捗が大幅に遅れてしまった場合でも、予実管理ができていれば計画の立て直しを図れます。

なお、予実管理をしておくことで、次の工数見積もり時にデータを参考にできるでしょう。自社のナレッジとして実績を蓄積していけば、見積もりの精度を高められます。

04 システム開発の工数見積もりから派生するリスクと回避方法

システム開発における工数見積もりの精度が低いと、以下のようなリスクにつながります。

  • 予算オーバー
  • 納期の遅れ
  • 仕様や機能の不備 など

システム開発では、プロジェクトがスムーズに進むケースだけを想定するのではなく、イレギュラーな事象を想定して工数を見積もることが重要です。あらかじめ予算を増やせないことを明確にすることや、納期に遅れた場合のペナルティについて合意をとっておくことで、トラブルを回避しやすいでしょう。

05 まとめ

システム開発を成功させるためには、工数見積もりの妥当性を見極める必要があります。実際に、システム開発のような中規模から大規模のプロジェクトでは、工数見積もりが複雑になりがちです。そのため、システム開発会社や見積もり手法によって費用に差が出るケースも珍しくありません。

なお、自社で工数見積もりを算出したり、妥当性を見極めたりすることが難しい場合は、専門家に判断してもらうのも方法の一つです。

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