コラム
2025.01.27
大規模言語モデル(LLM)の開発方法や必要なリソース・課題を解説
- LLM(大規模言語モデル)の基本的な開発フローと進め方
- LLM開発に必要となる技術的・人的・金銭的リソース
- LLM開発を円滑に進めるためのチーム構成と各役割
- LLM開発において注意すべき代表的な課題とリスク
- LLM開発に強みを持つ国内企業とその特徴
01 LLMの開発方法・フロー
LLMは大規模な言語パターンを学習し、人が理解しやすいテキストを出力する点が特徴です。LLMの開発は以下のようなフローで行います。
● 開発の意図や目的にあわせて要件を定義する
● 学習データを用意し、不要な情報の削除やフォーマット化、使用するデータ選定などを行う
● 大規模なデータを正解データとあわせて学習を進める
● 必要に応じて修正、改善を行う
LLMに大量の正しいデータを学習させれば、文脈の理解や回答の正確性がより深まります。また、修正・改善を重ねることでより実用性が高まるでしょう。
LLM開発における必要なリソース
LLMの開発では膨大な量のデータを扱うため、以下のようなリソースを確保する必要があります。
● 高性能なGPU
● 大容量メモリ
● 高度な技術を持った人材
● 開発内容にあわせた資金
LLMの開発資金は規模や要件によって数百万円から数億円と幅広く、開発企業の金銭的リソースを十分確保することも欠かせません。
ただし、リソースの管理が行き届かない場合、大きな損害につながる可能性があるため注意が必要です。リソースを確保する前に活用計画を立て、確保後の管理を徹底しましょう。
02 LLM開発におけるチーム構成
LLM開発には、プロンプト設計やセキュリティなどの知識・技術を持つエンジニアの存在が欠かせません。以下で、LLM開発を円滑に行うためのチーム構成を解説するので参考にしてください。
プロンプトエンジニア
AIの活用に必須であるプロンプトを設計・検証するエンジニアは、LLM開発にも欠かせません。プロンプトエンジニアは、言語モデルへの命令(プロンプト)を開発・最適化し、適切かつ効果的なテキスト生成を実現します。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、顧客の質疑応答やSNS投稿などの非構造化テキストを分析します。分析したデータをフィードバックし、LLMが出力する回答の精度をより高めるために必要な分野です。
セキュリティエンジニア
サイバー攻撃や内部からの情報流出など、セキュリティ面の強化を得意とするセキュリティエンジニアも重要です。出力データの安全性を確保したり、機密情報の開示をしたりしないようセキュリティを実装します。
デザイナー
開発するシステムの使い勝手をよくするため、デザイナーの存在も欠かせません。UI・UXに優れていない場合、特にチャットボットによる質疑応答といった体験は顧客の利用が減り回収データも少なくなってしまう可能性があります。
プロジェクトマネージャー(PM)
LLM開発プロジェクトを進めるにあたって、目的達成に向けて戦略を立て必要な判断を行うPMも重要なメンバーです。LLM開発における関係部署や利害関係者との調整などを担います。
03 LLM開発の課題
LLM開発の課題として、回答情報の信憑性の低さや情報流出の可能性が挙げられます。以下で、LLM開発の具体的な課題を解説するので参考にしてください。
虚偽の出力情報が含まれる場合がある
LLMは基本的に過去のデータを学習しているため、虚偽の回答や古い情報を出力する可能性があります。誤った情報を読み込むと、さらなる誤回答につながるため注意が必要です。
特に、専門分野の情報を出力する目的で使用する場合は、正確性が担保されないため十分なデータ精査が欠かせません。
情報流出の可能性がある
LLMのセキュリティ対策が不十分な場合、情報流出の可能性がある点も課題です。
例えば、LLMに学習させるデータに個人情報や機密情報が含まれていると、他人がシステムを利用した際の回答に出力されかねません。また、サイバー攻撃を受けた際に情報が流出する危険性もあります。
LLM開発ではセキュリティを強化し、学習データは個人情報や機密情報を除くことが重要です。
情報が偏る可能性がある
LLMの学習データの内容に偏見が多いと、偏ったデータを出力する恐れがあります。偏った思想や情報で正確性に欠ける場合、LLMで開発したシステムを利用するユーザーの認知にも影響を及ぼしかねません。
このようなリスクを回避するために、LLM開発を自社で行う際は専門家のアドバイスを受けるのがおすすめです。
04 LLM開発企業一覧
LLM開発に強みを持つ国内の企業を以下にまとめました。LLM開発を自社で行う際の参考にしてください。
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企業名 |
特徴 |
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WEBEDGE |
LLMの要件定義から開発まで一貫したサポートでDX化を実現と売上の創出を支援しており、委託・エンジニア派遣・内製化サポートまで対応可能 |
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NTT |
大規模言語モデル開発における経済的な負担を回避するため、軽量・高性能な日本語処理性能を持つ「tsuzumi」を開発した |
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株式会社サイバーエージェント |
独自の日本語LLM「CyberAgentLM」を開発し、以降もバージョンアップを続けている |
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ストックマーク株式会社 |
ビジネス用途での高い信頼性が期待できる「Stockmark-13b」を開発した |
05 まとめ
LLM開発は要件定義から学習データの最適化、改善までのフローを経て行います。LLM開発を成功させるためには、システム環境や資金、プロダクトに必要な人材の確保が欠かせない一方で、リソースの確保に悩む場合もあるでしょう。
LLM開発を得意とする企業のサポートを受ければ、費用や必要な人材育成にかかるコストを減らせるうえ、依頼先によっては開発に関するナレッジを獲得できる場合もあります。
WEBEDGEが展開する「超伴走」は、LLM開発に必要なエンジニアの専門性や技術力を補強しながら、円滑なプロジェクト進行をサポートしています。LLMの要件定義から開発まで寄り添ったサポートが可能なので、ぜひ気軽にご相談ください。
Question
よくあるご質問
Q
LLMは自社でゼロから開発する必要がありますか?
A
必ずしもゼロから自社開発する必要はありません。目的や求める精度によっては、既存のLLMを活用・カスタマイズする選択肢も現実的です。自社開発は自由度が高い一方で、リソースや運用負荷も大きくなります。WEBEDGEでは、内製・外部活用のどちらが適しているかを整理したうえで、段階的な開発方針を設計しています。
Q
LLM開発には、どの程度のリソースを見込むべきでしょうか?
A
LLM開発では、計算資源・人材・資金のいずれも一定規模が求められます。特にGPUやメモリなどのインフラと、専門性の高いエンジニアの確保が課題になりやすい領域です。開発規模を適切に見極め、必要最小限から始める設計を行うことで、リスクを抑えながら検証を進めることが可能になります。
Q
LLM開発でよくある失敗パターンには何がありますか?
A
目的が曖昧なまま開発を進めてしまうケースや、学習データの品質管理が不十分なまま運用に入ってしまうケースが見られます。その結果、精度が安定しなかったり、想定外の出力が増えたりすることがあります。初期段階で活用シーンや制約条件を整理しておくことが、後戻りを防ぐポイントです。
Q
LLMの情報漏えいや誤回答のリスクは、どこまで対策できますか?
A
完全にリスクをゼロにすることは難しいものの、設計次第で大きく低減することは可能です。学習データの取扱いや出力制御、セキュリティ設計を初期段階から組み込むことで、実運用に耐えうる仕組みを構築できます。WEBEDGEでは、技術面だけでなく運用ルールも含めたリスク設計を重視しています。
Q
LLM開発を外部に相談するタイミングは、いつが適切ですか?
A
要件が固まりきっていない初期段階から相談するケースも少なくありません。早い段階で専門家の視点を取り入れることで、不要な開発や過剰投資を避けやすくなります。WEBEDGEでは、構想整理から伴走しながら、開発の進め方そのものを一緒に設計する支援を行っています。
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執筆:WEBEDGE DX編集部
WEBEDGEは、DX推進・システム開発・AI活用支援の領域で企業のデジタル課題を解決するシステムインテグレーターです。
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監修:友田 俊輔
WEBEDGE代表・DX内製化/事業プロセス設計の実務家
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