コラム

2024.09.27

大規模言語モデル(LLM)の開発方法や必要なリソース・課題を解説

TOPInformation大規模言語モデル(LLM)の開発方法や必要なリソース・課題を解説

 

「LLMの開発方法や必要なリソースが知りたい」「開発にあたってどのような課題があるのだろう」と悩む方も多いでしょう。

 

LLMは大量の言語パターンを学習させ、修正・改善を繰り返し出力データの正確性を高めます。開発に適した環境や人材の確保などが欠かせず、自社で開発する場合はリソース管理が重要です。

 

そこで本記事では、LLMの開発方法や必要なリソース、開発におけるチームメンバーの構成を解説します。LLM開発に強い国内企業も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

01 LLMの開発方法・フロー

LLMは大規模な言語パターンを学習し、人が理解しやすいテキストを出力する点が特徴です。LLMの開発は以下のようなフローで行います。

●   開発の意図や目的にあわせて要件を定義する
●   学習データを用意し、不要な情報の削除やフォーマット化、使用するデータ選定などを行う
●   大規模なデータを正解データとあわせて学習を進める
●   必要に応じて修正、改善を行う

LLMに大量の正しいデータを学習させれば、文脈の理解や回答の正確性がより深まります。また、修正・改善を重ねることでより実用性が高まるでしょう。

 

LLM開発における必要なリソース

LLMの開発では膨大な量のデータを扱うため、以下のようなリソースを確保する必要があります。

●   高性能なGPU
●   大容量メモリ
●   高度な技術を持った人材
●   開発内容にあわせた資金

LLMの開発資金は規模や要件によって数百万円から数億円と幅広く、開発企業の金銭的リソースを十分確保することも欠かせません。

 

ただし、リソースの管理が行き届かない場合、大きな損害につながる可能性があるため注意が必要です。リソースを確保する前に活用計画を立て、確保後の管理を徹底しましょう。

02 LLM開発におけるチーム構成

LLM開発には、プロンプト設計やセキュリティなどの知識・技術を持つエンジニアの存在が欠かせません。以下で、LLM開発を円滑に行うためのチーム構成を解説するので参考にしてください。

 

プロンプトエンジニア

AIの活用に必須であるプロンプトを設計・検証するエンジニアは、LLM開発にも欠かせません。プロンプトエンジニアは、言語モデルへの命令(プロンプト)を開発・最適化し、適切かつ効果的なテキスト生成を実現します。

 

データサイエンティスト

データサイエンティストは、顧客の質疑応答やSNS投稿などの非構造化テキストを分析します。分析したデータをフィードバックし、LLMが出力する回答の精度をより高めるために必要な分野です。

 

セキュリティエンジニア

サイバー攻撃や内部からの情報流出など、セキュリティ面の強化を得意とするセキュリティエンジニアも重要です。出力データの安全性を確保したり、機密情報の開示をしたりしないようセキュリティを実装します。

 

デザイナー

開発するシステムの使い勝手をよくするため、デザイナーの存在も欠かせません。UI・UXに優れていない場合、特にチャットボットによる質疑応答といった体験は顧客の利用が減り回収データも少なくなってしまう可能性があります。

 

プロジェクトマネージャー(PM)

LLM開発プロジェクトを進めるにあたって、目的達成に向けて戦略を立て必要な判断を行うPMも重要なメンバーです。LLM開発における関係部署や利害関係者との調整などを担います。

03 LLM開発の課題

LLM開発の課題として、回答情報の信憑性の低さや情報流出の可能性が挙げられます。以下で、LLM開発の具体的な課題を解説するので参考にしてください。

 

虚偽の出力情報が含まれる場合がある

LLMは基本的に過去のデータを学習しているため、虚偽の回答や古い情報を出力する可能性があります。誤った情報を読み込むと、さらなる誤回答につながるため注意が必要です。

特に、専門分野の情報を出力する目的で使用する場合は、正確性が担保されないため十分なデータ精査が欠かせません。

 

情報流出の可能性がある

LLMのセキュリティ対策が不十分な場合、情報流出の可能性がある点も課題です。

例えば、LLMに学習させるデータに個人情報や機密情報が含まれていると、他人がシステムを利用した際の回答に出力されかねません。また、サイバー攻撃を受けた際に情報が流出する危険性もあります。

LLM開発ではセキュリティを強化し、学習データは個人情報や機密情報を除くことが重要です。

 

情報が偏る可能性がある

LLMの学習データの内容に偏見が多いと、偏ったデータを出力する恐れがあります。偏った思想や情報で正確性に欠ける場合、LLMで開発したシステムを利用するユーザーの認知にも影響を及ぼしかねません。

 

このようなリスクを回避するために、LLM開発を自社で行う際は専門家のアドバイスを受けるのがおすすめです。

04 LLM開発企業一覧

LLM開発に強みを持つ国内の企業を以下にまとめました。LLM開発を自社で行う際の参考にしてください。

企業名

特徴

WEBEDGE

LLMの要件定義から開発まで一貫したサポートでDX化を実現と売上の創出を支援しており、委託・エンジニア派遣・内製化サポートまで対応可能

NTT

大規模言語モデル開発における経済的な負担を回避するため、軽量・高性能な日本語処理性能を持つ「tsuzumi」を開発した

株式会社サイバーエージェント

独自の日本語LLM「CyberAgentLM」を開発し、以降もバージョンアップを続けている

ストックマーク株式会社

ビジネス用途での高い信頼性が期待できる「Stockmark-13b」を開発した

05 まとめ

LLM開発は要件定義から学習データの最適化、改善までのフローを経て行います。LLM開発を成功させるためには、システム環境や資金、プロダクトに必要な人材の確保が欠かせない一方で、リソースの確保に悩む場合もあるでしょう。

LLM開発を得意とする企業のサポートを受ければ、費用や必要な人材育成にかかるコストを減らせるうえ、依頼先によっては開発に関するナレッジを獲得できる場合もあります。

 

WEBEDGEが展開する「超伴走」は、LLM開発に必要なエンジニアの専門性や技術力を補強しながら、円滑なプロジェクト進行をサポートしています。LLMの要件定義から開発まで寄り添ったサポートが可能なので、ぜひ気軽にご相談ください。

成果に直結する“超伴走型”デジタル人材サービス

詳細を見る

Contact

お問い合わせ